Genesis-Selling England By The Pound

イギリスのプログレッシブロックバンド、ジェネシスの5?枚目。

私がジェネシスで一番好きなアルバム、あと多分プログレにどっぷりハマるきっかけにもなったアルバムだと思う。

そもそもジェネシス時代は高校生の頃、世間で名盤と呼ばれている「フォックストロット」に手を出した経験があった、そして挫折した…ピーター・ガブリエルの声に…

あのアルバムでの、彼の演出過剰気味でややメロディーが薄れてしまっているボーカルスタイルは正直受け入れるのが辛かった、正直今でもこのアルバムは受け入れられていない。流石に「Watcher of the skies」は好きだけど…

それ以降ジェネシスは数年間にわたり完全に放置状態だった。

その後、いざプログレを漁ってみよう…と思い立った際、やはりプログレ5大バンドと呼ばれているジェネシスは避ける事が出来なくて、ツイッターのフォロワーがおすすめと言っていたこのアルバムを買ってみた訳ですね。

CDを再生すると、いきなりささやかれるピーター・ガブリエルの美しいアカペラ…フォックスロットでのハチャメチャな声はどこに行ったんだ!と突っ込みを入れたくなってしまうくらい、あまりにも美しく、その後導入されるアコギとピアノのバッキングも触れたら壊れそうな儚い美しさ…やられました…

この、Dancing With The Moonlit Knightのイントロ、あまりにも好きすぎて歌詞全部覚えました…Can You Tell Me Where My Country lies…

正直他の曲はいきなり好きになったわけではなく、おいおいって感じですね。次にはやはりFirth Of Fifth。これでしょう。

このハケットによる幻想的なギターソロが2016年に行われたプログレッシブロックフェスでビルの間を漂うのを聞いた時、本当に感動しました…

正直1曲だけ今でもそんなに好きではない曲もあるのですが、最終的におおむね全て好きになりました。

これ以前のジェネシスにあった、「ファンタジー感あるんだけど、グリム童話のような不気味さがある」から毒がだいぶ抜かれ、美しい英国的なファンタジックなシンフォプログレになったような気が。

多分少なくともピーター・ガブリエルがボーカルを取っていたジェネシスのアルバムでは2ndの「侵入」と並んで聞きやすいアルバムなのでは。